
介護職ってどんな人たちがやっているのか興味をそそられることはありませんか?
採用を担当やっていますが、未経験で介護職に転向してくる職業は本当に様々。トラックの運転手や左官工、普通のサラリーマンやOL、元ニートだっている。
意外にも、介護を極めたいと看護士から転向する人も少なくありませんよ。
もくじ
介護職に転向する前はゲームセンターの店員をしていた
初めまして、ゲーセン店員から介護の業界に移り早5年。
現在介護老人保健施設ヴァンサンクのデイケアにて勤めていますkazutyomo、生まれも育ちも大阪の男性介護福祉士です。
介護業界に移る前はゲームセンターのフロアスタッフをしていました。
主な業務は接客、清掃、景品管理、機械のメンテナンス。
お客様がクレーンゲームをなさっているときは、呼び出しに対応できるように遠目から様子を伺い、それ以外ではマシントラブル等が起きない限りはフロアの清掃やPOP(景品の広告のようなもの)を作成したりしていましたね。
仕事場の地域柄、景品が取れないときはスタッフにクレームを訴えるお客様が多かったので、接客の際はお客様のご機嫌を損ねないように、かつ店の不利益にならない程度のサービス対応をさせていただいていました。
私が働いていたゲームセンターは中古マシンを取り扱うことが多く、マシントラブルの際にマニュアルが無いことも多かった為、トラブル箇所の特定はもちろん、マシンの構造から把握しトラブル処理をすることが必要でした。
それゆえ、問題箇所を見つけてから適切な工具を使い迅速に修理するスキルが必要不可欠です。
接客でお客様の心理の把握や不快感を与えない対応方法、マシントラブルでの柔軟かつ迅速な処理スキルが身についたのは、この仕事を9年間続けた賜物と言えるでしょう。
介護職に転職したキッカケは母の勤務先へボランティア
私が介護職に転職を考えたキッカケは、フリーターとしてゲームセンターのスタッフを続けていて、正社員として働かなければならない危機感を持っていたから。
個人経営だった為、アルバイトから社員登用する機会が無かったこともあり、別の仕事で正社員として安定した収入を得たい気持ちが大きくなっていました。
当時同居していた母が介護職をしていたことも有り、人手不足で一度母親が勤めている施設へボランティアに来てくれないか依頼がありました。
私は、大学生時代に教職課程を受けていた際に養護学校と介護施設への体験実習をしていたこともあり、介護のお手伝いをすることに何の抵抗もありません。
少し面倒だと思いながらも何かの役に立てるのであればと、利用者様が入浴を終えた後の整容を担当。
施設の利用者さん達の間では、母の息子が手伝いに来ることでどんな顔をしているのか話題でもちきりだったようです。
私が担当した十数人の利用者さんからは「あんたおかあちゃんにそっくりやなぁ」や「わざわざ手伝いに来てくれてありがとうな」等声を掛けてくださり、ゲームセンターでお客様からの「ありがとう」という言葉に喜びを感じた頃を思い出しました。
そして、そこで働く職員達が利用者様と楽しそうに会話しながら業務をしているのを見て、自分の介護に対するイメージががらっと変えられてしまいました。
未経験で介護職へ転職するのに苦労したのは志望動機
介護職の母の仕事の手伝いをしてから、私の中で介護の仕事に対して考える時間が多くなりつつある。そんなことに気がついたのは手伝いをしてから1ヶ月程経った頃です。
人に喜んでもらえる仕事で自分でも役に立てるんじゃないか、いやもっと役に立ちたい。
介護についてもっと調べてみようと思い、色んな介護施設の情報を集めることに。
母はどのようにして今の仕事に就いたのかを尋ね、いつの間にか介護の仕事をするための事前情報を集めるようになっていた私。
思い切って母が勤めている施設を訪問し、介護部長と直接お話させて頂く機会を設けてもらい自分の現状も含めて正社員として雇用してもらえないか交渉をしてみました。
この際、近親者が勤務している点は考慮せず、私自身の評価を踏まえて検討して頂くようお願い。
部長さんからは「とりあえず履歴書を持ってきて面接をしてから判断させてもらいます。」と言われ、それもそうだと履歴書を持参して改めて面接に臨みました。
面接では履歴書に目を通さず、私の目を見て最初に自分の特技を聞かれました。
「ウチの施設では日常業務をするのは当たり前、それに加えて職員一人ひとりの個性を活かしたサービスを提供したいと思ってるの。」
私が人に誇れるようなスキルや特技は持ち合わせているなんて思ったことはないが、前の職場では接客業をしていて、コミュニケーションスキルには自信があり、若干の英語、韓国語、そろばんやバスケットボールをしていたと伝えました。
果たしてこんな返答で良いのか?なんて思いつつも、必死で自分をアピール。
結果、面接の翌日に正式な採用となり介護の業界に入ることになりました。
部長曰く、私がそろばんの経験者で、丁度そろばんのレクリエーションを始めてみようと考えていたところだったそうな。
何の役に立つか分からないそろばんでしたが、色々な事を習っていて良かったと思っています。
毎日ありがとうと感謝され介護職に転職して良かった
介護の業界に転職した現在、様々な利用者さんと触れ合い利用者さんが抱く不安や病気の後遺症による不便さを傍で痛感しています。
しかし、そんな状況下でも私達の顔を見て元気に「おはよう!」「いつもありがとうね」と声を掛けてもらえると私も勇気をもらえます。
介護士と利用者という関係性では有りますが、利用者さん達は私よりも3倍ほども人生の先輩。
時には自分の悩みや不安を聞いていただき、様々な助言をしてもらうこともあります。
もちろん私が生まれる前の時代に詳しいので、昔はこうだった等知らない時代のお話が聞けることもあります。コレは介護職ならではの利点です。
より勉強して利用者さんに楽しい生活を送って頂こうと奮起しています。
一方、将来の高齢化問題に対し介護職の重要性の高まりも感じています。ここ数年で介護関係の車を街で見かけませんか?それだけ介護施設が増えて介護を必要とする高齢者が多くなっていることです。
私はそんな将来に必要とされる介護士、介護施設を増やすべく、今は認知症にかかわる資格を取得し、日々勉強に勤しんでいます。
また、利用者向けの旅行サービスの企画もしており、一般的にイメージされている介護を一新しようとしています。
旅行の参加者様が「こんなところもう二度と行けないと思ってたのに、連れて行ってくれてありがとう!」と泣いて喜んでいる姿を見たときは本当に胸が熱くなりました。
介護の仕事をして良かったなと思える瞬間ですね。
これからの時代必ず必要とされる職種。
にもかかわらず業種の肩身は狭いと感じているのも事実です。政府の政策に期待はしているものの、やはりこれからの介護は私達が築き上げていかなければなりませんね。
ゲーセンの店員が母の背中を追い介護職へ転向した話

- 介護職になる前はゲームセンターの店員をしていた
- 何らかの形で正社員になりたく介護職に興味を抱いた
- 母親が勤務している施設にボランティアに行ってみた
- 思い切って介護部長さんに採用してもらえないか直談判
- 人生の大先輩から様々な助言を貰える楽しみが辞められない
介護業界の面白みは、様々な業界人たちが集まって作られている世界だからこそですね。
それぞれの職員たちの過去をヒアリングするだけちょっとした本が出せそうですよ。ちなみに、僕は製造業界からの転職組です。