
一度楽な仕事に就いてしまうと人間ダメになってしまいます。
本来やらなければならない仕事そっちのけで、ずっとしゃべってるだけの仕事があたったら教えて欲しいでしょ?
僕が就いている老人ホームの総務事務職は、まさにそんな感じのお仕事です。
今日紹介するのは僕のお仕事について。
もくじ
楽な老人ホームに縁がなかったがリストラされ行き着く
こんにちわ、すみれの介護転職支援.comの運営を担当してる一ノ瀬と申します。
現在、関西にあるとある介護付き有料老人ホームで、総務人事職として勤務しています。
介護系の保有施設はありません。
この老人ホームに勤務して10年、あまりにも楽な仕事内容と楽しいご入居者との交流を少し紹介します。
僕がこの老人施設と出会ったのが、リーマンショック時にリストラされて路頭に迷っていた時。
日本ではちょうどリストラの嵐が吹き荒れていた頃です、いくら応募しても「面接に来てください」の連絡すらなく絶望の2文字しかありません。
失業保険が切れ、大手転職エージェントからは「正社員での転職は無理だから派遣で落ち着けよ!」と高圧的な態度を取られ、さすがにもうだめかと思ってた頃、一つの出会いがありました。
そう、この老人施設を紹介してくれた僕の恩人A氏。
ひとりで小さな転職エージェントを切り盛りする彼は、元リクルート出身の大ベテラン。
そんな彼から助け舟を出してもらった僕でしたが、正直「げげげぇ介護ぉ?」と軽く拒否反応。
だって、介護といえば3Kで有名な職場じゃないですか?
いくら事務職だからって、老人の下の世話をさせられたり、人手が足りないからといってあれこれ押し付けられるんじゃないの?って気が気じゃない。
僕はエージェントに「少し考えます」と言って、介護業界デビューして正社員を選ぶか、介護業界を拒否って派遣社員で生きていくか悩みまくりました。
そんな悩んでいる僕を知ってか知らずか、A氏が「この施設は事務職に介護を絶対にさせないから、それは私が保証する」と断言してくれたんですよね。
後で知ったんですが、このA氏、うちの老人ホームには何人か事務職を送り込んでいて、いろいろ内部事情にも詳しい人物だったんです。
「あなたほどのキャリアがあれば、これからホームを盛り上げられる人物になれる」とそっと背中を押してくれたのも嬉しかったですね。
僕が応募を決意したその日、A氏は紹介状を発行してくれ、その後3度の面接と適性検査を経て無事、総務人事職として再就職を果たせた僕は、今日に至るまでずっとこの老人ホームに居座ることになるんですよね。
楽な老人ホームの総務職は入居者と過ごす時間が多い
介護をさせられるんじゃないのかと全く気乗りのしなかった介護業界ですが、今までに経験したどの業界よりも楽でしたね。
まずは、本来の総務人事業務について。
総務としては100人規模の勤怠や入退職をコンシェルジュ部の女の子とと2人で管理。
この子と現場にいる介護事務のおばさんが超几帳面な人で、僕はメチャメチャ助けられた。
僕の元に来る時点で既に100%近い勤怠簿が上がって来るもんだから何もすることがない。
それに、入退職の準備も現場の介護事務さんがやってくれるから、実質僕が関わる業務は月末月初の勤怠管理のみ。
総務として雑務は、他に設備担当や介護ドライバーさんがいるから特にやらなければならないこともない。
次に、人事として採用業務があるけど年がら年中面接をしているわけではないし、意地悪な職員が減ったら職員の退職がピタっと止まるんですよね。
こうなると、人事としてやることがなくなり超暇。
逆に介護職員が大量に辞めたら、人事として大忙しだけど、元々人が大量に辞めていく工場の採用をやっていたから特に苦にもならず。
こんな理由で、本来の業務は月の半分あれば終わってしまうので、僕はすぐに手持ちぶさたになってしまった。

そんな暇そうな僕にコンシェルジュ部から声がかかったのは、入職して1年が絶とうとしている頃だった。
「ご入居者様からiPhoneの使い方を教えてくれ」との依頼を受けたコンシェルジュ部だったけど、当時iPhoneを持ってる職員はいないし、パソコンに詳しい職員もいなかった。
そりゃ僕だってiPhoneを持っていなかったけど、暇つぶしにヘルプに応じてみたんだ。
そしたら、このご入居者様からのご依頼がハマってしまって、今日に至るわけです。


一ノ瀬にスマホのことを聞けば、何でも答えてくれるとウワサが広がり、僕が本来の業務以外で大忙し。
そのうちに、総務人事職だから口が堅いハズだとプライベートなことも相談されるようになり、僕は事務所にいる時間よりもお部屋でお茶している時間のほうが長くなっていました。

楽な老人ホームの総務事務がもらえた年収は360万円
楽な老人ホームの総務人事職でもらえた年収は360万円。
ボーナスと退職金もなく、前職と比べてしまうと年収は3分の2ぐらいに減りましたが、この楽さなら致し方ないかと半分諦めています。
お小遣いがアップする唯一の手段は、数か月に1回まわってくる夜勤の仕事。
普通は夜勤手当も給料と一緒に振り込まれるべきなのに、何故かこの施設の習慣で月末手渡しなんです。
1回につきプラス6,000円はかなりオイシイし、夜勤は何もしないのが仕事。
何かあれば、夜勤の介護職と看護職が対応するし、最後の砦で夜警のオジサンがいる。
好きなDVDを見ながら、朝まで宿直室で待機です。
リストラされた時にマイカーを売却しましたが、かろうじてマイホームは死守。
僕達夫婦にとってマイホームは守るべき最後の砦ですから、ここは妻に頑張てもらっています。
これだけ年収が減って困るでしょ?と言われますが、もともとお金をかける趣味をしてこなかったし、お小遣いも3万円あれば余裕で足りてしまう人です。
唯一の楽しみの、飲み歩きや国内旅行は今も行っていますし、来年は念願の海外旅行に行く予定。
僕が所属しているコンシェルジュ部は、どちらかといえば結婚している職員の方が多く、みんな通勤のために車を持っている。

持ち家率も高く、介護=薄給ではないのが分かるよね?
楽な老人ホームは誠心誠意ご入居者様と向き合える施設
こんなに老人ホームの事務職が楽なら、紹介してあげたいところですが間接処遇職は非常に狭き門。
世間一般においても、総務や人事は希少職種です。
そのうえ、100人規模の職員を有する老人ホームはどちらかと言えば希少な部類に入ります。
みんな楽できるから、辞めたがらないのも事務職の求人がなかなか出ない所以だよね。
でも運よくこのお仕事に就けたなら、ご入居者様と誠心誠意向き合うことをお勧めします。
高齢者は全く忖度してくれません。
一旦きらいって思われるとやりにくいですが、一生懸命接していれば気難しい方でも心を開いてくれます。
あとは、普段からいただける「ありがとう」はクセになります。
ずっと会社で揉まれてきたサラリーマンほど介護のお仕事にハマる所以は、この「ありがとう」です。
ただ仕事をやっているだけで感謝される介護のお仕事は実にありがたいです。
彼ら彼女らは人生の大先輩でもあります。
楽しいことも悲しいことも共有していると、人生についてもう一度考えさせられます。
人生についてアドバイスをもらえることも多く、人間的にも成長できる場になることは間違いありません。
昨今、職員の暴力により傷つくご高齢者様がいるのが少し悲しいですが、この業界はまだまだ伸びる産業です。
どこかで出会えたなら、僕らと一緒に介護業界を盛り上げていきませんか?
老人ホームの総務職は入居者とおしゃべり放題まとめ

- リストラされて介護業界に流れ着いた僕
- どちらかといえばご入居者様と過ごす時間が多い
- ご入居者様と誠心誠意むきあえば信頼関係が生まれる
- 老人介護施設の総務・人事職は狭き門